ガラパゴスゾウガメなど固有種が生息し、
独自の生態系で知られるエクアドルのガラパゴス諸島。
ユネスコの世界遺産にも指定されています。
ところが観光地化が進み、それに伴う環境変化などで
外来種が増加し危機にさらされているとして、
2007年、ユネスコはガラパゴス諸島を「危機遺産リスト」に登録しました。
危機遺産リストの登録基準は、
「絶滅危惧種や普遍的価値を有する生物種の重大な減少」
「完全性を脅かす資産境界などへの人間活動の侵食」
などの項目に該当し、かつ
「重大かつ明確な危険にさらされており、
大規模な保全作業が必要で、援助が要請されているもの」。
文字通り、危機にさらされていることを意味し、
改善が見られない場合、
世界遺産の登録抹消もあり得るという厳しいものです。
それから3年。
今年7月28日、ユネスコ世界遺産委員会は
ガラパゴス諸島の危機遺産リストからの削除を決定しました。
現在、ガラパゴス諸島を訪問する外国人には
環境保全やインフラ整備の費用として
一人100USドルの入島料が課せられる他、
ガラパゴス開発庁が発行するIDカードを取得し、
厳しい検疫もパスしなければなりません。
滞在中もナチュラリストと呼ばれる専門ガイドの指示に
従うことが義務付けられており、
動物に触らない、島外からの動植物を持ち込まないなどの
ルールが設けられています。
ユネスコは、エクアドル政府のこうした対策が
一定の効果を上げたと判断したようです。
ところが、この決定に対して
ユネスコに助言を与えている国際自然保護連合は
「危機遺産リストからの削除は時期尚早」と批判しました。
「ガラパゴスの直面する状況は依然深刻な危機にある」との理由です。
危機遺産登録を解除されたのは一歩前進ですが、
当然ながら全てが解決したわけではありません。
ガラパゴスを訪れる旅行者は、
金融危機の影響などで一時ほど多くは無いようですが、
それでも依然として人気の観光地。
大勢の人間が外部から訪れれば、
島の自然に何らかの影響を与えることは想像できます。
生態系の保護と人間の活動の両立。
引き続き、この難しい課題に取り組みながら、
貴重な宝を守っていかなければなりません。
Photo:Lieutenant Elizabeth Crapo, NOAA Corps


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